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帰省はチャンス お盆に話す「家と土地」のこと

お盆は、家族が一堂に会する数少ない機会です。普段は遠く離れて暮らす兄弟姉妹や親戚も、この時期だけは実家に集まり、食卓を囲み、思い出話に花を咲かせます。
そんな和やかな時間は、実は「家」や「土地」の将来について話し合う絶好のタイミングでもあります。

|「お盆は、将来を話し合う数少ないチャンスです」

相続や不動産の話は、どうしても後回しにされがちです。「まだ元気だし、今すぐ決める必要はない」と思っていると、ある日突然、健康の急変や予期せぬ出来事が訪れ、十分な準備ができないまま慌てて手続きを進めることになってしまいます。
それは、残された家族にとっても大きな負担になります。だからこそ、「何も起きていない平穏なとき」に、少しずつ将来のことを話しておくことが大切なのです。


実家・土地のこれからのことを話す

まずは、実家や土地をこれからどうしていくのか、大まかな方向性を共有することが重要です。

✔️ 誰が引き継いで住むのか
✔️ 空き家になる場合は、どう管理するのか
✔️ 売却するのか、賃貸に出すのか
✔️ 維持費や修繕費は誰が負担するのか

たとえば郊外や地方の家の場合、今後は人口減少や需要低下で売却が難しくなる傾向が強まります。売りたいと思ったときにすぐ売れるとは限らず、維持管理だけが負担になるケースも珍しくありません。

また、住み続ける場合でも、築年数の経過による修繕やリフォームは避けられません。屋根や外壁の塗り替え、耐震補強、水回りの交換などは数百万円単位の費用がかかります。これを誰が負担するのかを事前に話し合っておくことで、後のトラブルを防げます。


名義と登記の確認

意外に多いのが、「登記上の名義人がすでに亡くなっていて、そのままになっている」というケースです。こうなると、売却や融資はもちろん、修繕工事の契約すらスムーズにできなくなります。

|「名義が古いままでは、売ることも買うこともできません」

2024年4月からは、相続による不動産の名義変更(相続登記)が義務化されました。相続から3年以内に登記を行わないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。

お盆の帰省に合わせて、登記簿謄本(登記事項証明書)を取得して記載内容を確認し、「誰の名義になっているか」「共有名義か単独名義か」を把握しておくとよいでしょう。

特に共有名義の場合は注意が必要です。兄弟姉妹のうち一人が遠方に住んでいたり、連絡が取りづらかったりすると、売却や賃貸の手続きが滞ってしまいます。「今のうちに名義を整理する」「共有を解消する」などの方向性を早めに決めておくことが、将来の負担軽減につながります。

相続税の見通しや贈与の検討

不動産の相続に関しては、「相続税がかかるのかどうか」を把握することも大切です。

相続税の有無は、遺産総額と法定相続人の数によって決まります。概算で構わないので遺産がどれぐらいあるか把握しておくと、方針を立てやすくなります。預貯金はそのままの額、金融資産は残高でおおまかな額がわかります。土地や建物については評価額(固定資産評価額や路線価)を調べておくと、ある程度の見通しが立ちます。
   →関連コラム「ご自分の土地の評価は 『路線価』のキホン」

|「資産額を知らないままでは、適切な相続対策はできません」

たとえば、土地の評価額が思っていたより高く、現金では納税できない場合、不動産を売却して納税資金を確保せざるを得ないこともあります。こうした事態を避けるためにも、「事前に資産全体を把握する」ことが重要です。
   →関連コラム「古家つき土地の相続 路線価から見える盲点」

また、相続税の負担を軽くするために、生前贈与を検討するケースもあります。2024年からは贈与税の制度が一部改正され、相続時精算課税制度の使い勝手がよくなりました。ただし、贈与には税務や名義変更などの手続きが伴うため、専門家に相談しながら進めるのが安心です。
   →関連コラム「『相続時精算課税』の効果的な使い方」

話し合いをスムーズにするコツ

家や土地の話は、家族それぞれの感情が絡むため衝突しやすいテーマです。お盆のような楽しい時間に口論になるのは避けたいもの。そこで、スムーズに進めるための工夫が必要です。

・雑談から自然に切り出すようにする
・家の思い出や写真をきっかけに話題をつなげる
・すぐに結論を出そうとしない
・話した内容をメモして、後でゆっくり整理する
・必要に応じて次回は専門家を交えることも検討する

特に、「家を残したい」という気持ちと、「維持が大変」という現実は両立しない場合があります。感情と現実のバランスを取りながら、時間をかけて方向性を固めることが大切です。

|「結論を急がず、次につなげる話しで終えるのがコツです」


まとめ

お盆の帰省は、単なる年中行事ではなく、家族が将来のことを話し合う貴重な場にすることもできます。

相続や不動産の問題は、放置すればするほど複雑化し、負担も大きくなります。だからこそ、「元気なうち」「平穏なとき」に、少しずつでも話を進めておくことが、家族にとっての最大の備えです。

今年のお盆は、食卓での何気ない会話の中に、「家と土地」の将来についての一言を加えてみませんか。その一歩が、数年後の大きな安心につながります。

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