家族がそろう年末年始 相続の話はこの一言から
年末年始は、家族がそろう貴重な時間です。
そんなとき、いつも気になっている「親の家をこの先どうしていくのか」について、話してみたいなと思うことはありませんか?
実家を相続したものの、「どうするか決まらないまま空き家になってしまった」
そんな相談が年々増えています。
多くのケースで共通しているのは、親が元気なうちに、家の話をしていなかったという点です。
とはいえ、相続の話は切り出しづらいもの。何から話せばいいかわからず、結局なにも話せないまま年末年始が終わってしまう。。そんなご家庭も少なくありません。


相続の話は、重く始めない
年末年始の集まりで、相続税や遺言、財産の分け方まで決める必要はありません。
大切なのは、親の家の将来を話題に出すことです。
最初の一言は、こんな柔らかさで十分です。
- 「この家、これからどうしたいと思ってる?」
- 「将来、誰かが住む予定はあるのかな」
- 「きょうは決めなくていいんだけど、ちょっと聞いてみたくて」
ポイントは、その場で結論を出そうとしないこと。
そして、正解を求めようとしないこと。まずは「話し始めること」に意味があります。

ゴールは一つで大丈夫
この場で目指すゴールは、たくさんありません。
これだけ確認できれば十分です。
「親が、家をどうしたいと思っているかを家族で共有すること」
- 住み続けたいのか
- いずれは手放してもいいと考えているのか
- 家族の誰かに住んでほしいのか
- まだ何も決めていないのか
どれでも構いません。
大切なのは、親の考えを知らないまま相続を迎え、残された家族がどうしたらいいのか迷っている間に、家が空き家になってしまう状況を防ぐことです。
兄弟姉妹の考えは、今は聞かない
この段階で、兄弟姉妹それぞれの意見をまとめる必要はありません。
親の考えがわからないまま意見を出し合うと、話は将来の備えではなく、それぞれの主張になってしまいます。
まずは、親の気持ちを知ること。家族で共有すること。
それが、この場の役割だと割り切りましょう。
家族で話すだけで、十分な一歩
年末年始は、決断の場ではありません。
相続対策を完成させる必要もありません。
「親の考えが聞けた」
「家の方向性が少し見えた」
それだけで、将来の空き家リスクなど、相続リスクは確実に下がります。
相続の準備は、書類よりも会話から始まります。
家族がそろう年末年始、親の家のこれからについて、まずは一言、話しかけてみてはいかがでしょうか。

